節税対策集78 2006.1.14
税制に若手の意見を!
税制改正の詳細を解説する前に、今回の税制改正の問題点を書かせてください!
▼税制に、若手の意見を!
昨年12月15日に、自民党より平成18年度税制改正大綱が発表され、今年の税制の大枠がほぼ決定されました。
今回の税制改正は、経営者にとっては増税項目が多くなんともつらいものではあるのですが、一方税制改正全体を見渡すと、公正な税への第一歩ではないかとも思います。
しかしそんな中でも私なりに考える税制改正大綱の問題点もいくつかあります。
1つは、大綱の中身がいまだに縦割り行政で決められている点です。
税制という日本にとって非常に重要な問題は、税制だけ議論しても適切な答えは出せません。つまり政府横断的なトータルな視点で、歳入と歳出全体の議論が必要です。そして何より、今後のこの国の姿をイメージした中で議論が行われるべきであると思います。
この大綱を作成した自民党税制調査会の反論としては、それは今年6月に経済財政諮問会議より発表される「歳出入一体改革の工程表」において行われるべき議論だとおっしゃるのかもしれません。
しかしこの大綱によって日本の税制が決定される現状においては、是正されるべき点であると思います。
そして私が考える税制改正大綱のもう1つの問題点は、税制改正大綱の作成過程において30代・40代の意見が少なすぎる(もしかして0?)ということです。
今後の日本を背負っていく中心は、税制面から考えると30代40代ではないかと思います。日本の税制に若手の意見を!というのが、私の要望でもあり希望でもあります。
▼会社経営における税制改正
以前にも「同族会社の役員報酬の一部損金不算入」については速報として詳細を解説しましたが、今回はその他の税制改正についてみていくこととします。
ただし、現時点(平成18.1.14)ではこの税制改正については国会を通過していませんので、決定事項ではありませんので、その点ご了承ください。
まずは法人税関系の税制改正について、その内容を解説します。
1つ目は、「交際費課税の見直し」です。
今回の改正で、中小企業については一人当たり5,000円以下の飲食費(役職員間は除く)の損金算入が可能となります。
今まではこういった明確な基準がなかったため、処理する税理士や経理担当者によってその扱いが異なっていたため、実務においてもありがたい改正といえます。
次に、「欠損法人を使った節税対策封じ」です。
これは、平成18年4月1日以後の買収案件については、買収後5年以内に被買収法人(欠損法人)が従前の事業を廃止し、その規模を大幅に超える事業を開始した場合等一定の場合には、その欠損法人の損金算入を制限するというものです。
さらには、資産譲渡損についても一定の制限が設けられます。
また、「同族会社の留保金課税についても見直しと延長」が行われるようです。
同族会社の留保金課税の不適用措置について、従来からあった「設立後10年以内の中小企業者」と「自己資本比率50%以下の中小法人」というものが廃止されることとなります。
また同族であるかどうかの要件を、従来の3株主グループから1株主グループへと緩和の方向となっています。
そして留保控除額についても緩和の方向で金額が基本的に引き上げられます。
これは、以前から批判のある「留保金課税」のため、そういった批判に対して一定の配慮をした格好です。
他にも、「少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度」が、合計300万円までという制限のもとに、期限が2年間延長されます。
また、「中小企業投資促進税制」や「研究開発税制」について、基本的に拡充の方向となっています。
▼個人向けの税制改正
次に、所得税や住民税、相続税などの個人向けの税制改正をみていきます。
まずは、三位一体改革の流れから国から地方への税源移譲がおこなわれます。
そして住民税がフラット化(10%)されることにともなう「住宅ローン控除適用者」に対する一定の調整措置も盛り込まれています。
個人向けの税制改正の中で最も影響があるものとしては、「定率減税の廃止」があります。
これは、昨年平成17年までは所得税で最大25万円、住民税で最大4万円の控除を受けられていたものですが、平成18年からその控除額が半分になり、さらに平成19年からは残り半分も無くなるというものです。
最後に相続税関係の改正項目としては、「物納制度の見直し」があります。
これは、「物納許可基準の明確化」と「物納手続きの迅速化」、そして「延納から物納への変更を認める制度の創設」です。
今まで「物納」というと、許可されるのかどうかということや行政側の手続きの遅さに実務では苦労することが多かったのですが、今回の改正が実現されることになれば「物納」がより広く行なわれるようになるでしょう。
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