節税対策集74 2005.11.27
税務署の標的は、ネット企業だ!
最近の税制動向を見ていますと、1つの方向性が見えます。
それは、ネット企業を狙った増税路線です。
例えば、「IT投資促進税制」がどうやら来年3月31日で廃止されるようです。
これは、IT系への投資を促進する観点から設けられた減税で、対象資産がパソコンやサーバーなどであったことから、IT企業やネット企業の利用が多かったと思われます。
他にもネット企業を狙い撃ちにしていると思われる例としては、無申告加算税の罰則強化があります。
まずは、このあたりから見ていくことにしましょう。
▼無申告加算税、強化
財務省は、個人や法人が申告を失念していた場合に罰則的に課される「無申告加算税」を2006年度から引き上げる方向で検討に入ったようです。
年末の与党の税制調査会で税率等を決定し、来年初めの通常国会に提出する税制改正法案に盛り込む予定です。
▼加算税とは?
加算税というのは、所得税や法人税、相続税など国税のあらゆる税目に共通して適用されるものです。
そしてこの加算税は、税金の申告が必要な納税者が一定の期間内に所得等を税務署などに申告しない場合に、本来の納税額とは別に課税されるものです。
加算税には、無申告加算税のほかに過少申告加算税や重加算税があります。
今回の財務省の案では、このうち無申告加算税の税率を現行の15%から20〜30%に引き上げようと考えているようです。
ちなみに、現行のその他の加算税の税率としては、過少申告加算税が最高15%で、重加算税が最高40%。
▼関西電力は、12億円の無申告加算税
最近では、消費税の申告書を提出し忘れていた関西電力に対して、12億円の無申告加算税が課されました。
このケースでは、納税は済ませていたのですが、申告書の提出のみ約2週間ほど遅れました。
その結果、12億円の無申告加算税となりました。
(自主的な申告と認められたため、税率は5%でした)
詳しくはこちら。
▼昨今のインターネット商売
この財務省の無申告加算税を引き上げようとする背景には、昨今のインターネット商売における税逃れの多発にあります。
国税庁が今年6月までの2006事業年度におけるインターネット取引における税務調査の結果は、去年の1件平均899万円の申告漏れに対して、去年より16.4%多い1件平均1112万円でした。
昨今のインターネット取引における活況さをあらわすとともに、財務省がネット取引に対して課税強化をせざるを得ない状況がうかがえます。
インターネット商売は、ネット上ということもあって納税に対する意識が薄い場合が多いです。
特に個人ではじめたサイトなどでは、税に対する無知もあってか、無申告状態で何年も事業を継続している場合があるのは、事実です。
こういったことに着目して、財務省は、無申告加算税に対する罰則を強化したいと考えているといえます。
ちなみに、サラリーマンの方で副業としてネットのアフィリエイトなどの収入がある方は、年間20万円を超える利益となった場合には、申告義務がありますので、参考までに。
▼ネット企業狙い撃ち
インターネット企業に関係する税制としては、30万円未満の資産が全額経費処理できる「30万円未満即時償却制度」や、税額控除もある「IT投資促進税制」などがあります。
「30万円未満即時償却制度」は、30万円未満というところから考えると、特にパソコン等が対象金額に当てはまることが多いです。
IT投資促進税制については、対象資産がIT系に限定されているため、IT企業やネット企業でその恩典を多く享受していたのではないでしょうか。
そしてこれらの有利な特例が、来年3月31日で期限が切れて廃止される予定です。
(一部情報セキュリティなどに限定して存続などの話もありますが)
先ほどの無申告加算税といい、このIT系の特例廃止といい、まさにネット企業狙い撃ちといえるのではないでしょうか。
▼税務調査の現場ではネット企業がターゲットに
読者の皆さんにはぜひ、今、財務省や国税庁がネット企業を集中的に調査しているということを知っておいてほしいと思います。
実際私のクライアントや知人のネット系の企業に、頻繁に税務調査が行われています。
まさに今、財務省や国税庁のターゲットはネット企業であるといえます。
ヤフーオークションや楽天等で稼いでいる方は、既に税務署や国税庁から目をつけられている可能性が高いです。
また自分自身は身を隠していても、取引先の調査でこちらの事情が発覚するなんてことも多々あります(これを反面調査といいます)。
必要な納税や申告はするべきです。
そしてそれに合わせて、出来る節税はきっちりやりましょう。
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