節税対策集70 2005.10.22
有限会社の皆さん、新会社法施行前の大幅節税
▼新会社法、来年5月頃施行
来年5月頃には、今までとは大きく異なるいわゆる「新会社法」が施行されます。
経営者の皆さんは、もうご存知ですよね。
経営に非常に影響が大きいですから、ぜひ色々と情報収集してくださいね。
大まかには、この「新会社法」では、従来の有限会社というのが無くなって、株式会社に一本化されます。
それにともなって、最低資本金規制がなくなります。つまり、有限会社であれば300万円、株式会社であれば1000万円という規制が無くなるのです。(現在特例で1円から会社を作れますが、新会社法施行後はこの特例も無くなります。)
ということは、「1円以上の資本金で株式会社」に1本化という形態になるということです。
自社が有限会社や特例会社に該当していなくても、取引先に該当する場合もあるでしょうから、特に新規取引先には注意が必要ですね。
▼新会社法施行前に考えておくこと
他にも色々とこの新会社法では変更される点があるのですが、今回は逆にこの新会社法施行前に考えておかないといけないことを記します。
新会社法施行後は、資本金規制がなくなることもあり、有限会社が株式会社に変更するときには、従来の「組織変更」ではなく、「商号変更」という扱いになるようです。
実はこれは税務上、とても大きな違いがあります。
組織変更?商号変更?どう違うの?とお思いになるでしょうから、その違いを説明します。
▼組織変更時の魔法
商号変更というのが単なる会社名の変更に対して、組織変更というのは、有限会社という組織から株式会社という組織に変更することを意味します。
そして、この「組織変更」時には、税務上の特例があります。
その特例とは、「評価益の計上」が認められていることです。
例えば、土地や有価証券などで簿価の低いときに購入したものがある場合、現在の時価が簿価を上回ることにより「評価益」が発生している場合があります。
新会社法施行前の現在では、有限会社から株式会社に「組織変更」するときに、その土地や有価証券などの含み益を計上することがOKなのです。
ちなみに通常は売却時でないと、税務上の含み益を計上することは出来ません。
逆に、新会社法施行後では、このようなケースの取り扱いは商号変更となるため、含み益の計上は認められないことになりそうです。
▼多額の繰越欠損金がある場合・・・
それではどういったケースで節税となるのか、例をあげて考えてみます。
例)A有限会社(資本金300万円)
・簿価500万円、時価1200万円の含み益を抱える土地がある。
・多額の繰越欠損金があるがもうすぐ無くなりそうである。
A有限会社の場合、新会社法施行前の現在では、有限会社から株式会社に組織変更をし、土地を時価評価して含み益700万円を計上することが出来ます。
そうすると、その含み益700万円と無くなりかけていた繰越欠損金が相殺されて、税金が発生せずに、土地の簿価を引き上げることが出来るのです。
いつかその土地を売却するときにその含み益分の課税が免れるのです。
単純に税率40%で節税予測をすると、700万円×40%=280万円の節税となります。
ただし、注意点もあります。
まず組織変更で資本金を増額しますので、登録免許税や司法書士報酬などが発生します。(今回のケースで18万円ぐらいでしょう。)
また、多額の含み益を計上する場合、繰越欠損金があれば、通常の法人税は相殺されてかからないのですが、「同族会社の留保金課税」はかかる可能性がありますので、ご注意くださいね。
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