節税対策集69 2005.10.4
「人材」を「人財」に変えれば、節税となる!
「人材投資促進税制」その2
前回は、人材投資促進税制の概要やその適用要件などを解説しました。
今回は、具体的にどれくらい減税されるのかを詳しく述べていきますね。
▼中小企業はさらにお得!
それでは具体的にどれくらい減税されるのか?ですが、まず原則は以下の通りとなります。
1.原則
増加額(今期の教育訓練費―基準額)×25%
注1.基準額:前2事業年度の教育訓練費の平均額
注2.その事業年度の法人税額の10%が限度
さらに中小企業の場合は、以下の特例計算との有利選択が出来ることになっています。
2.中小企業等の特例
教育訓練費の総額×税額控除率(0〜20%)
注1.税額控除率:増加率(増加額÷基準額)×1/2(最大20%)
注2.中小企業等とは、資本金が1億円以下の法人及び個人事業主
そして中小企業における優遇策の2つ目としては、上記税額控除が法人税のみならず法人住民税にも適用されることです。
▼具体例
中小企業であるA社の教育訓練費が以下の場合に、どれぐらい減税になるのかを試算してみます。なお、当期の法人税額は1200万円とします。
(教育訓練費の推移)
・平成16年3月期 200万円
・平成17年3月期 400万円
・平成18年3月期 500万円
1. 原則
@ 基準額=(200万円+400万円)÷2=300万円
A (500万円―300万円)×25%=50万円
2. 中小企業等の特例
@ 税額控除率=(200万円÷300万円)×1/2=33%→20%(上限)
A 500万円×20%=100万円
3. 有利選択
1<2 100万円
▼500万円の負担→183万円に!
上記計算から、このケースの場合は原則より特例のほうが有利となるので、減税効果としては100万円となります。
さらにA社は中小企業等であるため、法人住民税の減税もあります。
100万円×17%=17万円(概算)が別途税額控除されます。
ということは、このA社の場合、結局100万円+17万円=117万円の減税を享受できるということになります。
さらには、教育訓練費として支払った当期分500万円は費用となるので、実効税率を40%とすると、500万円×40%=200万円は実質的にキャッシュアウトしていないことにもなります。
まとめると、A社が当期500万円の教育訓練費を支払って、117万円の直接的な減税があり、さらにその教育訓練費が費用となることから200万円のキャッシュアウトしないお金がうまれることになります。
ということは、実質的にA社が負担する教育訓練費は、500万円−117万円−200万円=183万円ということ。
企業が負担すべき教育訓練費が「500万円から183万円に変わる」ということなので、その節税効果は高いといえるでしょう。
「人材」を「人財」に変えるために企業が投資を行うことを、税制も後押ししていると言えます。
ただし、この制度の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その計算に関する明細書を添付して申告する必要がありますので覚えておいて下さい。
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