節税対策集33 2004.10.8
経戦略的生命保険活用法!(7)
〜遺産分割対策〜
▼兄弟仲良く
「兄弟仲よくしましょう」、と幼い頃から教えられているにもかかわらず、いまだに兄弟間の相続争い(兄弟間に限らずですが)、すなわち「争族」の問題が多く発生しています。
例えば、相続財産が自宅だけといった場合では、兄弟間で平等に財産を分けようとしても分けられません。
自宅を包丁か何かで真2つにすることは出来ませんよね。(笑)
▼相続が争族にならないために
こんな場合には、長男に自宅を相続させるかわりに、他へ嫁いだ姉や妹へ生命保険をわたすようにしておくことは、相続が争族にしないためにいい方法でなないでしょうか。
また、争族になると、預金や不動産の遺産分割が大幅に遅れて相続税の納付が困難となる場合があります。
こんな場合にも受取人を指定した生命保険に加入しておくと、保険金は速やかに受取人の口座に振り込まれますので、機動的に活用できるのではないでしょうか。
▼限定承認の場合も有効
被相続人が債務超過の場合、相続人である妻や子供は、相続時に限定承認の手続きを取る場合があります。
限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引継ぐという条件付で相続を承認する方法です。
つまり、遺産を清算した結果、もし借金だけしか残らないような場合には相続しなくていいわけです。
そして相続後に受け取った生命保険金は、受け取った相続人の固有の財産として保全されますので、相続後の妻や子供の老後の生活資金として活かすことができます。
▼保険金受取人に注意
「うちは自宅が主な財産だから、自宅を長男に相続させ、長女には保険金を残すことにしたい。」というような場合を考えてみます。
こうした目的で保険を契約する場合に、よく保険金受取人を長女と指定してしまっています。そうすると、争族になる場合があります。
これは、税法と民法で、相続財産の範囲が異なることによります。
つまり、生命保険金は、税法では「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、民法上では相続財産ではありません。
民法上の相続財産とは、亡くなった人が死亡時に所有していた財産を指します。
従って、死亡したことによりその遺族に給付されるもの(死亡保険金や死亡退職金など)は、亡くなった人の財産ではないという扱いになります。
つまり死亡保険金は、民法上は相続財産ではないということです。
よって長女は民法上、相続財産をもらっていないということになり、他の財産の権利を主張できることになってしまうのです。
▼ これが厄介な問題になります。
ですから、このような場合には、生命保険金の受取人は長女ではなく長男として、長男が保険金を受け取った後に、次男に支払うようにするのが、争族を避ける方法となります。
上記の方法を、「代償分割」と言います。
▼相続放棄でも受け取り可
諸事情により相続放棄をとりたいという場合がありますが、こういった場合でも生命保険を受け取る権利は、その相続放棄した方に残ります。
これは、上記と同様、生命保険は民法上の相続財産ではないので可能となるのです。
つまり、生命保険を受け取ったことにより、相続放棄ができなくなるといったことはありません。
これは、よく勘違いしている方が多いので覚えておいてください。
今までみてきたように生命保険は、遺族の生活保障や相続税の納税資金対策以外にも、遺産分割対策としても有効に機能します。
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