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みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集176 2008.9.19
誰よりも早く新設「経営承継円滑化法」を学ぶ 第1回

▼まずは概要から

平成20年5月9日に「中小企業における経営の承継の円滑に関する法律」が成立しました。この法律は、日本全体の雇用の約70%をまかなっている中小企業が円滑に事業承継でき、その結果雇用を確保できることを目的に制定されました。法律の3本柱として、遺留分に関する民法特例、金融支援、相続税の課税についての措置(詳細は平成21年度税制改正にて)となっています。

そして、相続税の課税問題については、平成20年度の税制改正要綱にて、「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度」が平成21年度の税制改正で創設されることが明記されました。

これらは、中小企業経営者にとっては大変重要な内容です。少し難しそうなイメージを持っておられるでしょうが、4回シリーズで簡潔にご紹介させていただきます。まず1.2回目は「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度」について、3.4回目は「遺留分に関する民法特例」と「金融支援」についてお伝えします。

▼非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度QA

Q:現在、非上場株式等を後継者に渡すにはどのような方法がありますか?

A:売買、贈与、相続の3種類の方法が原則としてあります。売買と贈与は現社長が生存中に行うことになります。これらには以下の税法上の特典があります。
  (贈与)
@ 暦年贈与 
年間110万円の基礎控除額がありますが、110万円を超えると贈与税(10%〜50%)がかかります。
A 相続時精算課税制度の特例(H20.12/31まで)
相続時精算課税制度とは、一定要件のもと、65歳以上の親から推定相続人である20歳以上の子供への贈与について、2,500万円までは非課税とし、それを超える部分は一律20%の贈与税を課税するというものです。そして、親の死亡時に贈与財産を相続財産として足し戻して精算する仕組みになっています。
そして、その特例(特定同族株式等の贈与を受けた場合の特例)とは、H19.1/1〜H20.12/31までの間に60歳以上の親から20歳以上の子へ一定要件に該当する「特定同族株式等」を贈与した場合に、先述の2,500万円に500万円を加算した3,000万円まで非課税で贈与できるというものです。

  (相続)
非上場株式に係る課税価格の10%減額の特例
10%減額の特例とは、後継者が相続等により特定事業用資産として自社株式を取得した場合には、一定要件のもと、その自社株式の発行済株式総数の2/3まで(10億円を限度)について相続税を10%減額するというものです。ただし、「小規模宅地等の80%(50%)減の特例」との選択性であり、実務上は小規模宅地等の特例のほうが有利になることが多いとの問題点があります。

Q:新たな「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度」とは、どのような内容ですか?

A:事業承継相続人が相続等により取得した自社株(発行済株式総数の2/3まで)に係る課税価格の80%に相当する相続税が納税猶予されるというものです。そして、その承継した株式等を死亡時まで保有し続けた場合など一定の場合には、納税猶予税額の納付が免除されるというものです。もちろん、猶予・免除という今までにない画期的な制度であるため、厳しい要件をクリアする必要があります。
この納税猶予制度は、平成21年度の税制改正で創設される予定ですが、H20.10/1以後に開始した相続等に遡及適用されます。

次回は、非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度の具体的な要件をみていきます。

(担当:今村京子)

 

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