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みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集169 2008.7.14
役員退職金の活用の仕方〜事例編〜

▼事例その1〜最終報酬月額が0でも退職金は出せるか

今回は、中小企業が役員退職金を支給する場合によくあるケースを取り上げて、その解決策や判断基準についてご紹介していきたいと思います。

事例の1つ目は、役員報酬をもらっていない役員に対する退職金支給についてです。中小の同族会社では、非常勤役員で長期に渡って役員報酬を支給していない方、またそうでなくても、以前は役員報酬を支給していたのですが、退職時には役員報酬の支給をしていない役員などがいる場合があります。

このような場合に役員報酬を支給することはできるでしょうか。前回、ご紹介した功績倍率での算式を思い出して下さい。

  ◎役員の最終報酬月額×勤続年数×功績倍率

この算式では、役員の最終報酬月額が0であれば、いくら勤続年数が長くても役員退職金は0になってしまいます。

ただ、最終報酬月額が0の役員であっても、在任中に会社の経営に貢献してくれた方に対してその成果に見合う退職金を支払う、というケースは実際にあります。

その方の貢献度合にもよりますが、その場合全く退職金を出せないかというと、決してそんなことはなく、手続きを踏まえた上での適正金額の支給であれば、税務上も経費として認められます。

このようなケースでは、功績倍率の算式は使えませんから、以下のような算式を使って計算することがあります。

  ◎1年当たりの平均退職金×勤続年数

この場合には、企業の退職金データを集計した書籍等を参考に、退職金を計算してみて下さい。もちろんこの金額が絶対なわけではなく、これもあくまで参考程度です。

▼事例その2〜分掌変更による退職金の注意点

同族会社で多いのが、社長が一線を退いて会長等になったときに、退職金を支給するケースです。

通達には、分掌変更後の役員報酬が50%以上減少しているような場合には退職金を支給できる、とするものがあるため、それを根拠に役員退職金を支給する会社もありますが、最近の判例にもあったように、実質が伴っていなければ役員賞与として税務調査で否認される可能性があります。

実態は社長であった頃とほとんど変わっていないのに、形式だけ役員報酬を半分に減らした、ということではもちろん認められません。あくまで実態判定で、ということを忘れないで下さい。

▼事例その3〜退職金の分割払いは何年までならOKか

役員退職金が高額なため、分割払いしたり、退職年金として支給するケースもあると思います。分割払いするときの注意点は、あまりに長期にわたる分割払いですと、役員退職金を一括で損金計上することができなくなってしまう、ということです。

では、どれぐらいの分割期間であれば一括で損金計上できるかですが、税務上も明確に定められているわけではありません。

死亡退職金の場合には、被相続人の死亡後3年以内であれば、相続税の非課税の対象とされていますから、このあたりを参考にして下さい。いずれにしても、早いうちに払うに越したことはありません。

また役員退職金を年金で支給する場合には、退職金を一括で損金計上することはできません。この場合は、その支給の都度、損金計上することになります。

(担当:村田)

 

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