節税対策集161 2008.4.18
会社設立当初の注意点 会計処理編
▼会社設立前の損益
会社は設立登記をすることにより、会社法上は会社として認められることになりますが、会社設立準備期間中の損益をどうのように処理したらいいのか疑問が多いところです。
原則としては、会社設立前の損益は設立登記前の組織体に属することになります。しかし、設立期間というのは短いのが通常であり、金額も多額にならないことを考慮し、会社設立前の損益については、 設立後最初の事業年度の所得金額の計算に含めてもよいこととされています。
ただし、設立期間が長期におよぶ場合又は個人が法人成りした場合には、設立後最初の事業年度の所得金額の計算に含めることはできませんのでお間違えのないようにして下さい。
▼会社設立前に支出する費用
新たに会社を設立する場合には、設立準備のために先行して費用が発生します。この設立準備から設立登記するまでに支出する費用のグループ(勘定科目)を創立費(税法では創業費という)として分けます。
(創立費の例)
会社の印鑑代・定款認証手数料・設立登記にかかる登録免許税・司法書士報酬・金融機関の株式払込取扱手数料・創立総会に関する費用・発起人報酬・設立事務の使用人給料など
▼会社設立後営業開始までに支出する費用
会社設立登記してからも営業を開始するまでに備品の購入や広告などの準備が必要となります。そこで会社設立登記後から営業開始までに特別に支出する費用のグループ(勘定科目)を開業費として分けます。ポイントは特別に支出というところです。
(開業費の例)
業務案内チラシや開業挨拶の葉書などの広告宣伝費・関係者との飲食代などの接待交際費・準備のための交通費・印鑑代や名刺代・業務用物品の購入費用など
それでは、どうして支出した費用を創立費及び開業費として分ける必要があるかというと、これらについては費用にもかかわらず、繰延資産という勘定科目として資産計上することができるからです。
この繰延資産は、会社法上は5年間以内に均等償却することにとなっていますが、税法上は任意償却することになります。なお、任意償却ですから、会社は第一期事業年度においては全額費用処理・全額繰延資産として資産計上・一部費用処理から選択が可能です。通常、設立初年度は費用が先行し赤字となることが多いでしょうが、創立費や開業費を繰延資産として資産計上することにより、費用の繰延べができ赤字を回避することができます。とりあえず創立費又は開業費という勘定科目に分類することをお勧めします。
ところで、設立登記後から営業開始までに経常的に発生する費用は本来の勘定科目で処理することになりますので、ご注意ください。
▼会社設立前の売上は?
会社を設立するに当たっては、ある程度の売上見込みを予想して設立する方が多いと思いますので、会社設立前に売上が発生することもあるでしょう。冒頭にも申し上げましたが、この場合の売上は、原則として設立登記前の組織体に帰属することになりますが、法人の設立期間が短く金額も多額でない場合には、設立第一期の損益に含めてもよいこととされています(ただし、個人の法人成りを除きます)。
(担当:今村京子)
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