節税対策集152 2008.1.18
贈与税課税の注意点
▼贈与とは
親から子へ、夫から妻へなど財産を贈ることを贈与といい、財産を譲り渡す者を贈与者といい、譲り受ける者を受贈者といいます。
民法に規定する贈与は、自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれを受託することによって成り立つ片務・諾成・無償の契約であるとしています。つまり、贈与者が「これをあげます」と認識し、受贈者が「はい、もらいます」という認識があった上で初めて贈与が成立します。
▼連年贈与
税法上、受贈者は年間110万円以下(基礎控除額)の贈与について贈与税は非課税となっています。ただし、親が毎年子に110万円ずつ5年間にわたって贈与することとした場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく契約をした年分に「5年間にわたり毎年110万円ずつの給付を受ける権利」の贈与を受けたものとして、課税価格550万円として贈与税の申告が必要となってしまいます。
連年贈与と言われないための回避策としては、毎年金額を変える、贈与日を変えるなどがあります。
▼受取保険金
例えば、長女が保険契約者及び保険金受取人、父親が保険料支払者となっている保険契約が満期となって、その満期一時金を長女が受け取った場合には、長女に贈与税が課税されてしまいます。このケースは父親から長女に満期一時金相当額の贈与があったものとされます。
贈与と言われないための回避策としては、支払保険料相当額を毎年長女に贈与して、長女が保険料支払者になる方法があります。
▼著しく低い価額で財産を譲り受け
例えば、父親が所有する不動産を800万円(時価2,000万円)で長男に売却した場合、
長男に対しては時価と売買価額との差額1,200万円について贈与税が課税されてしまいます。なお、父親は譲渡対価800万円として譲渡所得の申告をする必要があります。
▼負担付贈与
例えば、父親から長女が相続税評価額800万円(時価1,000万円)の土地の贈与を受けたが、同時に父親の借入金600万円の返済が条件となっている場合、長女は課税価格1,000万円―600万円=400万円として贈与税が課税されてしまいます。
なお、父親は、消滅した借入金600万円で長女に土地を売却したものとして譲渡所得の対象となり、譲渡対価600万円として譲渡所得の申告をする必要があります。
▼共働きの夫婦がマイホームを購入
夫婦でマイホームを購入する場合、その購入資金を夫婦共同で出し合うことがあります。
この場合は、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合を合わせる必要があります。そうでない場合は、夫婦間で贈与があったものとして贈与税が課税されてしまいます。
▼親からの借入金
親と子、祖父母と孫など特殊関係間における金銭の貸借は、その賃借人の借入金返済能力や返済状況からみて真に金銭の貸借であると認められる場合には、その借入金は贈与にはなりません。ただし、実質的には贈与であるが、形式上賃借としている場合や出世払いというような場合は借入金相当額を課税価格として贈与税が課税されてしまいます。
金銭賃借を贈与と言われないための回避策としては、たとえ親子間でも金銭消費貸借契約書を交わす、少額ずつでも0返済するなどがあります。
(担当:今村京子)
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