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みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集150 2008.1.11
平成20年度税制改正大綱(自民党)パート1

▼与党税制改正大綱がついに発表される

先月13日に、自民党から税制改正大綱が発表されました。これは4月から施行される予定の税制改正の基本となるものです。今回は参議院の第1党が民主党であるため、この大綱のまま税制改正が行われない可能性もあります。

ただ、現時点では今年度の税制改正を予測する上で最も重要な情報となりますので、今回と次回の2回にわたって、この税制改正大綱の内容を重要な項目に絞ってご紹介していきたいと思います。

▼大綱の概要

今回の大綱では、基本的に“サプライズ”は見当たらず、おおよそ事前に報道されていたような内容でした。一部を除けば大きな増税項目も少なく、中小企業にとっては減税寄りの項目が目立ちます。改正が実施される前に急いで手を打っておかなければならないようなこともほとんどないでしょう。

ただこの大綱は最終的な決定事項ではありません。以下にご紹介する項目も、今後の展開によっては内容が変更になる可能性もあります。

▼「人材投資促進税制」が使いやすくなる

ではここからは、具体的な項目を見ていきましょう。

最初は「人材投資促進税制」です。これは要件が大幅に緩和されて、中小企業にとって非常に使いやすい優遇措置になりそうですので、個人的にはとても注目しています。

現在の「人材投資促進税制」は、従業員の教育訓練費が前2期の平均金額より増えていなければ、税額控除は受けられない仕組みになっています。毎期教育訓練費を増加させていくことも厳しいですが、そもそも適用するためには、当期も含めて3年分の教育訓練費を把握する必要がありました。

それをこの大綱では増加要件を撤廃した上で、企業全体の労働費用の0.15%以上の教育訓練費を支出すれば、当期教育訓練費総額の8〜12%の税額控除が受けられるとしています。

例えば、従業員1人当たりの労働費用が450万円であるとすると、その0.15%である6,750円以上の教育訓練費(従業員1人当たり)を支出すれば、税額控除の適用対象になってきます(経済産業省パンフレットより)。以前よりハードルはぐっと低くなります。過去の教育訓練費を調べる必要もなくなります。

今後、中小企業の勘定科目には「教育訓練費」という科目が必須になってきそうです。尚、大企業に対する人材投資促進税制は平成20年3月末で打ち切りの予定です。

▼非上場株式等の「80%納税猶予制度」の新設

中小企業の事業承継税制も大きく変わりそうです。大綱では非上場株式等について、平成20年10月以降発生の相続(予定)より「80%納税猶予制度」を導入するとしています。もし実施されれば、中小企業のこれまでの相続対策が根本的に覆されるほどの大改正です。

現在、非上場株式等については一定の要件を満たせば、10%の評価減特例がありますが、実務上は「小規模宅地等の80%(50%)減特例」が有利な場合が多く、使い勝手が悪いというのが正直なところです。

では「80%納税猶予制度」の内容を具体的に説明していきましょう。
以下の要件を全て満たしたような場合には、最終的に所有する非上場株式等の80%に対応する相続税の納税を猶予、免除する、というものです。

<対象法人>
◆中小企業基本法に定める中小企業であること
<被相続人>
◆同族株主グループで50%超の株式を保有し、かつそのグループ内で筆頭株主であったこと(後継者である相続人は除く)
◆会社の代表者であったこと

<相続人>
◆同族株主グループで50%超の株式を保有し、かつそのグループ内で筆頭株主となること
◆会社の代表者であること
◆5年間事業を継続(代表者継続、雇用の80%以上維持等)し、経済産業大臣の認定を受けること
◆株式を死亡時まで保有し続けること 等

また、現行の評価減特例では、相続した株式のうち発行済株式の2/3か評価額10億円のいずれか低い金額までしか評価減は認められていませんが、改正後は後者の10億円の上限枠が撤廃される予定です。さらに現行では、時価総額20億円以上の会社は特例対象外ですが、その要件も撤廃される予定です。

つまり、残るのは「発行済株式の2/3以下」という要件のみで、金額規制は一切なくなるということになります。

ただし、何らかの理由で5年間事業を継続できなかった場合、株式を保有し続けられなかった場合等には、猶予されている相続税を利子税を付けて納税しなければならない、というリスクもあります。

さらには、この新しい事業承継税制の制度化に合わせて、相続税の課税方式を遺産取得課税方式に改めることを検討するとしています。また、相続税の総合的見直し(基礎控除の引き下げ?)も検討するとしています。

現段階ではまだ詳しいことは言えませんが、改正が実現すれば、今後の事業承継対策に大きな影響を与えることは間違いなさそうです。

(担当:村田)

 

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