節税対策集146 2007.11.16
確定日付を利用しよう
▼贈与は年末までに
年内に処理しなければならない税金関係のイベントとして年末調整がありますが、もう1つ忘れないで頂きたいことがあります。それが贈与税です。
今年中に贈与をお考えの方は、贈与の対象となる財産を年内に移転しなければなりません。今回は贈与を行う際の手続上のポイントについて取り上げたいと思います。
▼贈与の手続き
贈与には、税務上「暦年課税贈与」と「相続時精算課税贈与」の2種類がありますが、どちらを選択するにしても、年内に贈与を完了させておかなければならないことに変わりはありません。ではどのような状態になれば、贈与完了となるのでしょうか。
相続税法基本通達では、贈与の場合、「書面によるものについてはその契約の効力の発生した時、書面によらないものについてはその履行の時」を財産取得の時期とする、と定めています。
ただし登記や登録が必要な財産について、上記の基準では取得時期が明確でない場合には、特に問題のない限り、その登記や登録があった時に贈与があったものとして取り扱われます。
つまり贈与について必ず「贈与契約書」を結ぶようにしておけば、その契約日をもって贈与完了となるわけです。
▼確定日付を使った証拠作り
ただ契約書は作ろうと思えば、年が明けてからでも日付をさかのぼって作ることができてしまいます。契約書を見ただけでは、本当にその日に契約したのかどうかが確実ではありません。きちんとその日に契約書を作った人からすれば、はなはだ気分の悪い話です。
そんな事態を解消するために「確定日付」というものがあります。これは公証人が「この書類は確実にこの日に作成されたものです」と証明してくれる制度です。公証人とは、裁判所を退官したような法律実務家の中から法務大臣によって任命された方々で、全国の公証役場で勤務しています。
この「確定日付」を利用すると、誰から何を言われようと、その日に契約したということを堂々と証明することができます。手続きは簡単です。公証役場に行って、受付で「確定日付お願いします」と言って下さい。
すると、担当の方が契約書にはんこを押してくれます。1件につき700円の手数料がかかりますが、このはんこがあれば、契約日について疑われることはありません。全国の公証役場であれば、どこでもやってくれます。
ただし、「確定日付」はあくまで日付を証明するだけの制度です。契約の内容まで証明してくれるわけではありませんので、注意して下さい(実際、公証役場で担当の方に書類を渡しても、中身はほとんど読んでおられません)。
▼税務署に対しても有効
贈与を考えておられる方は、やはり相続対策のため、という方が多いと思います。暦年課税贈与の場合には、年間110万円までの非課税枠がありますので、それを活用して毎年少しずつ贈与を実施していくというのは、相続対策の王道です。
年間贈与額が110万円以下であれば贈与税がかからないため、贈与税の申告は不要ですが、この場合には贈与をした証拠を確実に残しておかないと、税務署側は申告がないためその状況が全くわかりません。このようなときに、贈与契約書の作成とともに、確定日付の活用もご検討下さい。
(担当:村田)
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