節税対策集143 2007.10.10
中小企業向け環境認証規格、“地域版ISO”
▼中小企業に広がらない「ISO14001」
近年は世界的にも環境問題に関心が高まっており、企業も環境問題を無視しての経営はできなくなってきています。そのため、大手企業では国際規格である「ISO14001」を取得する企業もありますが、中小企業の間にはなかなか広がっていないというのが実情です。
「ISO14001」とは、国際標準化機構(ISO)が1996年に始めた環境マネジメントシステムに関する国際規格です。おおまかには、認可を受けようとする各企業において環境改善計画を作成し、審査登録機関の審査に合格した企業に与えられます。
「ISO14001」を取得するメリットは、やはり国際機関による認証を受けられたという点にあります。それにより社会的信用力がぐっと向上し、取引先や金融機関等の印象を良くすることができます。
また、実際に改善計画を実行できれば、エネルギーコスト等の削減にもつながります。中小企業がこれを取得できれば、大企業との取引にも有利に働くでしょうし、他の中小企業との差別化もできます。
しかし、実際には中小企業にはあまり浸透していません。その最大の原因は、認証のための取得費用が100万円程度かかり、認証を維持するための管理、事務コストもかなりの負担になることにあります。
認証後も定期的に審査があるため、専任者を置かなければ対応していくのが難しいというのが現実です。社外のISO専門コンサルタント等を利用すれば、認証費用等が数百万円になることもあります。中小企業ではなかなか手が出しにくい、というのが本当のところなのです。
▼中小企業でも利用できる“地域版ISO”
そこで、NPO法人等が各地で中小企業でも手の届く範囲での環境認証規格を立ち上げています。現在全国では約15の“地域版ISO”ともいうべきものが存在しています。
この“地域版ISO”は、「ISO14001」と比較して、認証のための取得費用が約10〜30万円と格段に安く、審査も比較的簡素化されているというメリットがあります。
「ISO14001」には手の出なかった中小企業でも、この“地域版ISO”なら利用できるところが増えてくるはずです。中には地方公共団体が認証費用の補助をするところや、入札時の加点要素になるところもあります。
認知度はやはり「ISO14001」には及びませんが、中小企業が利用する分にはそれでも十分他社との差別化、信用力の向上といった面で効果を発揮するでしょう。
▼融資でも威力を発揮
中小企業がこの“地域版ISO”を取得した場合のメリットは他にもあります。それは金融機関からの融資においてです。
金融機関にもこの動きに合わせた商品を用意しているところがあり、都銀や地銀の一部では、“地域版ISO”を持っている企業に対して金利等を優遇するところがあるのです。どこの金融機関でも扱っているわけではありませんが、該当すればおよそ0.3〜0.5%の金利優遇等が受けられるようです。
今後、中小企業にも環境問題という波が押し寄せてくるかもしれません。そうなる前に先手を打って、こういった“地域版ISO”に挑戦してみてはいかがでしょうか。
(担当:村田)
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