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みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集138 2007.9.4
退職金が優遇されるのも今年まで?!

▼退職金課税の見直しが浮上

少し前の話になりますが、8月上旬に政府税制調査会の香西会長が、記者会見で、この秋以降に退職金の課税強化の検討を予定していると発表しました。

退職金の課税強化は昨年の税制調査会でも話題になっており、その行方に注目が集まっていましたが、最終的には何とか改正対象からは外れました。

それが今年もこの時期になり、またもや会長のこの発言ですから、ついに改正されるのか、といった感じです。

▼退職金の優遇は3段階

では、現在の退職金課税(受取る側)はどのようになっているのでしょうか。
実は、退職金は3段階で優遇されているのです。

まず、1段階目は多額の「退職所得控除」です。

退職金に対する税金を計算する際には、勤続年数に応じて「退職所得控除」という金額を退職金の収入金額から差し引くことができます。

「退職所得控除」は勤続年数に応じて、以下のような金額になっています。

 ◆勤続年数20年以下
  40万円×勤続年数(1年未満の端数切上)
 ◆勤続年数20年超
  800万円+(70万円×(勤続年数−20年))

つまり、退職金の金額がこの「退職所得控除」以下であれば、退職金に対して税金はかからないのです。

実際に計算してみると、勤続20年で800万円、30年で1,500万円、40年で2,200万円もの控除金額があるのです。香西会長はこの仕組みに対して「終身雇用を前提にしているように思える」と発言しています。

▼退職金は税率もお得

退職金が上記の「退職所得控除」を超えていたとしても、まだまだ優遇措置はあります。

その2段階目は、課税対象になる退職所得金額が1/2となることです。つまり、退職金が「退職所得控除」を超えても、その全額に対して所得税がかかるわけではなく、その半分に対してしか所得税はかからないのです。

そして、とどめの3段階目です。

退職所得は、課税される際に他の所得とは別に分離されて課税されます。これがなぜ優遇されていることになるかというと、所得税は累進課税ですので、所得金額が大きくなればなるほど、税率が高くなります。

他の所得と合算されれば、それだけ所得金額が大きくなりますので、税率は高くなりますが、分離されれば税率は低くて済むわけです。

▼今後の動きに要注意

まだまだ税制改正論議は始まったばかりですので、今の段階ではまだ論議の対象としてピックアップされたに過ぎません。

「今年か来年あたりに退職金を出そうかな」などと考えておられる、中小企業経営者の方は特に、今後の動向にご注意下さい。何か新しい情報があれば、いち早くお届けしていく予定です。

尚、念のため最後に付け加えておきますと、今回取り上げたのは退職金にかかる所得税についての論議です。法人での退職金の処理などについては、現段階では話題に上がっていないようです。

 

(担当:村田)

 

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