節税対策集116 2007.1.20
対象者別住宅ローン控除の具体的ポイント
▼住宅ローン控除特集
前回は「確定申告で所得税を取り戻せ!<還付を受ける17の方法>」と題して、還付申告できるパターンを17通りご紹介しました。
これから数回にわたって、その中からいくつかの項目を取り上げ、具体的に解説していきます。今回は住宅ローン控除についてです。
▼住宅ローン控除の基礎
まずは住宅ローン控除の基本的な仕組みを簡単におさらいしておきましょう。
住宅ローン控除は、マイホームを新築又は購入等した場合に借り入れたローンについて、その年末残高の一定率を所得税額から直接控除できる特例です。平成20年12月31日までの特例措置ですので、新規入居で適用を受けるためには平成20年末までに居住を開始しなければなりません(既に住宅ローン控除の適用を受けている方については平成21年以後も適用可能です)。
▼対象者別の具体的ポイント
ではここからは、住宅ローン控除の対象となる方について以下の3パターンに分けて説明していきたいと思います。
(1)既に住宅ローン控除の適用を受けている方
(2)今回の確定申告で初めて住宅ローン控除の適用を受けようと考えている方
(3)今年マイホームの取得を考えている方
▼既に住宅ローン控除の適用を受けている方
まずは、既に適用を受けている方です。
この方たちは、年末調整で住宅ローン控除の適用を受けているはずですので、基本的に確定申告は必要ありません(ただし、医療費控除の適用などを受ける方は確定申告が必要です)。
適用に当たって気を付ける点としては、他の扶養控除などとの関係です。これは、既に住宅ローン控除の適用を受けている方に限ったことではありませんが、例えば、住宅ローン控除のみで夫の所得税が0になる場合には、妻に所得があれば、妻の方で子供の扶養控除を受けるなどといった工夫をすることで、所得税の負担を減らすことができます。
▼今回の確定申告で初めて住宅ローン控除の適用を受けようと考えている方
これらの方々は今回のみ、確定申告で住宅ローン控除の適用を受ける必要があります(来年からは年末調整でOKです)。
ではどのような方が住宅ローン控除の適用を受けられるのでしょうか。要件は以下のようになっています。かなりいろいろな要件があるのですが、適用を受ける場合には、これらの要件をすべて満たす必要がありますので、1つ1つチェックしてみて下さい。
@ 住宅の新築や購入をしてから6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
A この特別控除を受ける年の合計所得金額が、3千万円以下であること。
B 新築や購入した住宅の床面積が50u以上であり、床面積の1/2以上を自己の居住用に使用していること。
C 返済期間10年以上の一定の借入金等があること。
D 中古住宅の場合には原則として、マンションなどの耐火建築物の建物の場合、その取得の日以前25年以内に建築されたもの、耐火建築物以外の建物の場合、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること(ただし、平成17年4月1日以降に取得するもので、一定の耐震基準に適合するものについては築年数は問いません)。
E 配偶者や同居の親族から購入した住宅でないこと
F 新しく取得した住宅に居住した年、その前年、前々年において前の住宅を譲渡し、「3千万円特別控除」などの適用を受けていないこと
また、確定申告で適用を受けるために必要な添付書類を挙げておきますので、参考にして下さい。
@ 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等
A 住民票の写し
B 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
C 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署に用意されています。)
D 給与所得者の場合には、給与所得の源泉徴収票(原本) など
▼今年マイホームの取得を考えている方
今年マイホームを購入しようかな、と思っている方については、もちろん今年の確定申告では何も手続きの必要はないのですが、来年から住宅ローン控除が改正になります(正式には3月の国会にて決定)ので、それについてご紹介しておきます。
現在、平成19年、20年に居住を開始した場合の控除額計算は以下のようになっています。

それが今回の改正で、上記の住宅ローン控除に加え、以下の控除形式が新しく設けられ、現行の控除形式との選択制になります。

新方式では控除期間が10年から15年に延びますが、控除率は低くなるため、控除限度額は変わりません。ではどうして、こんな改正が行われたのでしょうか。
それは所得税、住民税の税率が改正されたことと関係があります。昨年の改正で、国から地方へ税源を委譲するため、所得税と住民税の税率が改正され、新しい税率が今年から適用されます。ほとんどの方は、所得税が少なくなり、住民税が多くなることになります。
原則として所得税と住民税を合わせた総額は変わりませんので、一見影響はないように見えます。しかし住宅ローン控除は所得税のみに適用される特例ですので、所得税額が少なくなれば、それだけ控除できる金額も少なくなり、同じ10年間で控除できる金額は以前より減ってしまうのです。
そこで、控除率を低くして、期間合計での控除限度額は維持したまま、控除期間を15年間に延長し、以前とほぼ同じ控除金額が控除できるようにという趣旨で今回の改正が行われるわけです。
もう1つ、これからマイホームを取得される方は今年中に居住を開始した方が、住宅ローン控除では有利になります。居住開始が平成20年になると、住宅ローン控除の控除限度額が少なくなるためです。
(担当:村田)
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