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みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集110 2006.12.2
中小企業こそ社債を発行しよう

▼資金調達を金融機関のみに頼らない時代

最近、中小企業の間でも金融機関からの借入以外に、資金調達を行っている会社が増えているように感じます。上場企業は一様に好業績を上げており、間接金融といわれる金融機関からの借入で資金調達をしなくても、直接金融により株式市場からの資金調達が可能となってきました。それにより、金融機関は今、一斉に中小企業市場を攻めようとしています。そこで今注目されるのが、社債なのです。

資金調達には、上述の通り、直接金融と間接金融があります。社債はちょうどその中間に位置します。今回は中小企業の社債の活用法についてお伝えしたいと思います。

▼中小企業が利用できる社債は大きく4つ

現在、中小企業が利用できる社債は大きく以下の4つにまとめられます。
1. 少人数私募債
2. 信用保証協会の保証による社債
3. 金融機関の引受けによる社債
4. 社債担保証券

このうち、2と3については社債の引受人が金融機関となり、融資とあまり変わらないというのが実態ですが、今回中小企業が利用すべきものとしてぜひご紹介したいのが、1の少人数私募債と4の社債担保証券なのです。では、まず少人数私募債についてご紹介します。

少人数私募債とは、一般的に社債の引受人が社長の親戚、知人や会社の取引先等に限られている社債で、社債の発行金額が1億円未満かつ社債の引受人が50名未満のものをいいます。

この条件を満たしていると、社債の発行に際して、官公庁等への届出が全く不要になります。取締役会決議だけで社債が発行できるようになるのです。多少の書類作成は必要ですが、コストもほとんどかかりません。

▼社長借入金を少人数私募債に変えよう

この少人数私募債の最大のメリットは、中小企業の節税に使えるという点です。

具体例で説明してみます。社長借入金が5,000万円で社長の年間報酬が3,000万円というケースを考えてみます。この場合に社長借入金の代わりに、利率5%で少人数私募債を発行すると仮定します。

この場合、利息を受け取る個人側では、この収入は利子所得として一律20%で課税されますので、かかってくる税金(所得税+住民税)は250万円×20%=50万円になります。

これを同じ収入でも社債利息ではなく、貸付金利息として受け取った場合には、雑所得として給与所得と合算されて税金が計算されます。従って、かかってくる税金は250万円×約40%(概算)=100万円にもなるのです。同じ利息でも、社債利息として受け取った方が約50万円も税金が有利になるのです。

社長借入金を少人数私募債に変えるメリットはまだあります。決算書の上でも、借入金が社債として表示されるため、金融機関の評価もアップするはずです。まだまだ少人数私募債を発行している中小企業は少ないため、金融機関へのアピールができると思います。

▼今後注目される社債担保証券(CBO)

もう1つこれからの中小企業の資金調達手段の1つとして、是非知っておいて頂きたいのが「社債担保証券(CBO)」と呼ばれるものです。

これは中小企業が発行する社債を束ねて証券化し、一般投資家に販売する手法のことです。自社だけでは一般投資家から資金調達ができない場合でも、社債担保証券であればそれが可能になります。最近では、それを専門に扱う新しい証券会社も現れています。

この社債のメリットは、完全に無担保、無保証である点と満期一括償還であるため、借入金と違い毎月の返済が不要である点にあります。逆にコストは少々割高で、一定の財務格付以上であることが要求されますが、長期の安定資金の調達先として、選択の余地は充分にあります。将来上場を目指す企業であれば、上場前のワンステップとして、一般投資家から資金を調達する良い機会になります。

アメリカでは、資金調達手段に占める社債の割合が日本よりも格段に高いといわれます。今後、日本でもこれまで以上に社債が重要な位置を占めるようになっていくでしょう。それは中小企業とて例外ではありません。この社債担保証券が、まさに中小企業金融の大きな分岐点になるのかもしれません。

(担当:村田)

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