節税対策集109 2006.11.18
これだけは知っておきたい年末調整
▼年末恒例といえば・・・
今年も年末恒例のこの行事がやってきます。サラリーマンにとっては一足早いお年玉、そういわずと知れた“年末調整”です。皆さんのご自宅にも保険料控除証明書などの書類が届き始めていると思います。
今回は、今年の年末調整について、去年からの変更点とこれだけは知っておきたいという基本事項をまとめてお伝えします。
▼今年の年末調整の変更点
まず、去年の年末調整と比べて大きく変わる点は、定率減税の取扱いです。去年までは、本来負担すべき所得税から国民一律に20%(最大25万円)が減額になっていました。しかし、それは期間限定の措置でしたので、今年の年末調整で減額率が10%(最大12万5千円)に下げられ、来年の年末調整では定率減税自体が完全に廃止になります。そのため、去年と全く同じ年収でも、負担する所得税は今年の方が多くなってしまいます。
▼来年の変更点も先取り
また、これは今年から変更になる点というわけではありませんが、来年から損害保険料控除(最高1万5千円)が廃止され、新たに地震保険料控除(最高5万円)が新設されます。そのため、地震保険に該当しない損害保険について、損害保険料控除の適用を受けるのは、原則として今年が最後になります。
しかし、今年の12月31日までに契約した長期損害保険契約(保険期間が10年以上で、満期返戻金がある等の条件を満たすものに限る)については、経過措置として来年以降も損害保険料控除の適用を受けることが認められています(ただし、地震保険料控除と合わせて5万円まで)。
▼意外に使えていない扶養控除
年末調整において最も税額計算に影響を与えるのが、配偶者控除、扶養控除の項目です。これをうまく使えていない方が意外に多いように思います。
まず、配偶者控除や扶養控除の対象となる配偶者や扶養親族がいるかどうかは、その年の年末時点で判定されます。そのため、今年結婚された方や、新たに子供が生まれた方などは、それが年の途中であっても、控除額が満額控除できます。例えば極端な話ですが、子供が12月31日に生まれれば、その年の年末調整では扶養控除38万円が控除できますが、来年の1月1日に生まれた場合には、今年の年末調整では扶養控除は適用できません。1日違いで大違いなのです。
▼「生計を一にする」の本当の意味
また、扶養親族は「生計を一にする」ことが条件とされています。では、「生計を一にする」とはどういう意味でしょうか。これは、一つ屋根の下に同居している場合にはもちろん当てはまるのですが、別居していて生活費の仕送りをしている場合などもこれに該当します。
ですから、一人暮らしをしている大学生の息子、田舎の実家にいる両親などに仕送りをして生活費を送金しているというような場合には、その本人の所得が38万円以下であれば、扶養控除の適用が受けられます。特に70歳以上の方を扶養している場合には、同居していなくても1人当たり10万円控除額が加算になりますし、さらにその方が障害者である場合には、さらに控除額が上乗せされます(一般障害者は1人当たり27万円、特別障害者は1人当たり40万円)。
▼扶養控除は誰が適用を受けるのかも重要
共働きの夫婦で子供がいるような場合には、子供をどちらの扶養控除にするかで、税額が変わることがあります。このような場合には、所得の多い方が扶養控除の適用を受けるのが原則です。なぜなら、所得税は所得が大きくなるほど税率が高くなる仕組みになっているため、同じ控除額であれば税率の高い方が受ける方が有利になるからです。
さらにこの扶養控除は、年によって適用する方を変更しても構いません。例えば、今年子供を夫の扶養に入れたからといって、来年以降もずっと夫の扶養親族にし続ける必要はありません。状況が変われば、奥さんの扶養親族として申告することもできます。
▼年末調整と確定申告の関係
最後に年末調整では適用できず、確定申告でしか適用できないものを2つ挙げておきます。
1つは住宅ローン控除ですが、これは初めて適用を受ける方だけは確定申告する必要があります。2回目以降は年末調整で適用できます。
もう1つは医療費控除です。これは年間医療費が一定額を超えたときに適用できるのですが、年末調整では適用を受けられません。医療費控除の適用を考えておられる方は、必ず確定申告を行ってください。
年末調整には、保険料控除証明書や国民年金保険料控除証明書などの書類が必要になります。郵送されてきた書類はなくさないようにしっかり保管し、万が一紛失した場合には、早めに再発行の手続きを取って、年末調整までに準備しておいてください。年末調整までに間に合わない場合には、確定申告をすれば還付が受けられます。
(担当:村田)
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