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   節税対策集

みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集107 2006.11.4
事業承継に使える相続時精算課税

▼事業承継の準備、していますか

どんな経営者でも必ず考えておかなければならないのが事業承継です。

このほど、中小企業庁から発表された「事業承継ガイドライン20問20答」にこんなデータがあります。中小企業の経営者の平均年齢は約57歳で、この20年間で約5歳も上昇しています。一方、中小企業経営者の引退予想平均年齢は約67歳とされており、この先10年程度で事業承継が発生する企業が多く出てくることが予想されます。

どちらにしても、遅かれ早かれ「事業承継のとき」はやってくるのです。そのときになって慌てないように、スタートは早いに越したことはありません。

▼事業承継成功の3カ条

事業承継を上手く成功させるためには3つのツボがあります。それはずばり「ヒト・モノ・カネ」です。
ヒトとは後継者であり、どんなに優良企業であっても後継者にそれ相応の能力がなければ、残念ながら企業が傾いていくことにもなりかねません。
モノとは円満な相続財産の分割です。どんなに多くの財産があったとしても、家族で骨肉の争いをしたのでは、決して幸せな相続とは言えません。
カネとは相続税です。相続税を減らすための節税対策をしつつ、納税資金も確保しておく必要があります。
この3つのバランスをうまく取ることが事業承継には必須なのです。

▼相続時精算課税制度は使い方次第

事業承継には、これが唯一絶対の法則、などというものはありません。ケースバイケースで選択する方法も変わってきます。しかしその中でぜひ覚えておいて頂きたいのが「相続時精算課税制度」です。

「相続時精算課税制度」は、満65歳以上の親から満20歳以上の子に年間2,500万円までの財産が無税で贈与できる制度です。住宅取得資金については、さらに1,000万円の無税枠が追加される上に、満65歳未満の親からの贈与にも適用することができます。無税枠を超えた部分に対しては、20%の税金がかかりますが、相続税計算時に相続税の前払いとして精算されます。

相続時精算課税制度は相続税を計算する際に、贈与財産を贈与したときの時価で相続財産に足し戻すため、あまり節税には使えないと思われがちです。しかし、実際には使い方次第で有利になる場合があります。

▼相続時精算課税を使った自社株贈与

例えば、同族会社において社長が退職する場合には、通常役員退職金が支払われます。このときその退職金が法人の経費に計上されますので、同族会社の株価は大きく下がる場合があります。退職する社長が満65歳以上で、後継者であるご子息が満20歳以上であれば、この相続時精算課税制度を使って、自社株の贈与ができます。

この方法の良いところは、自社株の株価を社長退職時の低い株価で固定できることにあります。そのまま社長が所有し続けていれば、社長の相続時には株価が大きく上がっている可能性もありますが、相続時精算課税制度で贈与しておけば、贈与時の時価で足し戻されるため、株価上昇のリスクを回避できます。この方法は、自社株の株価が高止まりしていたり、今後株価の上昇が予測される場合に有利な方法です。

通常、このやり方は退職する社長が満65歳以上でなければ適用できないのですが、実は満65歳未満でも使えるやり方があります。それは住宅取得資金の贈与と組み合わせる方法です。住宅取得資金の贈与は、贈与する親が満65歳未満でも使えるため、その同じ年に自社株の贈与を行うと、社長が満65歳未満であるにも関わらず、自社株を含めた全ての贈与に相続時精算課税制度が適用されるのです。

▼相続時精算課税で“争族”防止

相続時精算課税制度を使うメリットはもう一つあります。

それは、本人の生前に財産を贈与することで、事実上の遺産分割が相続の発生前にできるということです。相続発生後の遺産分割ではもめるケースが多いですが、生前に本人の意思で贈与をすることで、後々の“争族”を防止できるのです。

ただし、相続時精算課税はいったん選択してしまうと、以後その選択した親からの贈与については、暦年課税贈与(年間110万円までが無税)に戻すことができないため、適用に当たっては注意が必要です。

▼「事業承継ガイドライン20問20答」の活用

今後、事業承継を計画的に進めていこう、とお考えの社長におすすめなのが冒頭で紹介した「事業承継ガイドライン20問20答」です。これは平成17年10月に設立された事業承継協議会が今年の6月に発表した「事業承継ガイドライン」を問答形式にして、より分かりやすく解説したものです。フローチャートや事業承継計画表のサンプル、事業承継チェックリストなどもついており、非常に実用的な内容になっています。ぜひこれからの計画作成にあたって、参考にしてみて下さい。中小企業庁の下記アドレスからダウンロードできます。
中小企業庁:事業承継ガイドライン20問20答
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei20/index.htm

(担当:村田)

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