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   節税対策集

みなさん、節税するかどうかは任意だと思いますか?
私は会社や従業員のことを考えると、正しく賢く節税することは経営者にとって義務と考えています。
しかし実際、節税義務を果たしていない会社をいくつもみてきました。本人は節税をしたいのでしょうが、税法を知らないがために払わなくていい税金を払っています。

そのような方々に少しでもお役に立てれば、と思い執筆しました。

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


節税対策集103 2006.9.21
消費税届出による節税ノウハウ

▼ケース1〜届出書の提出期限を過ぎている場合

年商4,000万円のA社は今期から派遣社員を多く受け入れて、事業の拡大を図ろうとしています。これまでは簡易課税を適用していたのですが、今期からの派遣社員の増加により仕入税額控除が増えるため、簡易課税が本当に有利なのかどうか、社長は税理士にシミュレーションしてもらうことにしました。

社長 「先生、どうですか。やっぱり簡易課税の方が有利ですか?」

税理士「いえ、社長の予測通り今期からは原則課税に戻した方が有利です。ただ1つ問題があります。」

社長 「何でしょうか?」

税理士「今すぐに消費税の届出を出しても、原則課税に戻れるのは来期からなんです。まだ今期は始まったばかりですから、ほぼ1年分は不利な簡易課税のままになります。」

社長 「そんな・・・。今期は売上も増えそうだし、消費税も相当かかってくるのに何とかならないんですか、先生!」

税理士「ご安心下さい、社長。手はあります。原則課税に戻れるのは“来期”からです。では、その“来期”を早めてしまえばいいのです。つまり事業年度を変更して、“来期”の開始を早くするのです。」

社長 「そんなことができるんですか!?」

税理士「ええ。御社は.7月決算ですよね。では事業年度変更で9月決算に変えてしまいましょう。そうすれば今期は2ヶ月で終了し、10月から来期が始まります。不利な簡易課税の申告は2ヶ月で済みます。」

社長 「でも事業年度を変更するのに、また登記費用などがかかりませんか?」

税理士「いえ、事業年度は登記事項ではありませんので、定款を変更するだけで登記は不要です。株主総会の特別決議で変更が可能です。後は税務署等に届出を出すだけです。その時に原則課税への変更届も一緒に提出しましょう。」

社長 「よかった。先生、ではそれでお願いします。」

▼ケース2〜災害により多額の修繕費が発生する場合

製造業を営むB社は、先日の大型台風の直撃で大きな被害を受けました。通常操業に戻すには多額の費用がかかりそうです。B社は現在、簡易課税を適用しています。

社長 「先生、今期は相当修繕費がかかるから、消費税は還付になると思うんだけど、簡易課税だと消費税の還付が受けられないって本当ですか?」

税理士「そうなんです。簡易課税というのは売上に対して消費税額が決まる仕組みになっていますので、仕入や経費が実際にいくらかかったかということは考慮されないんです。ですから払いすぎた予定納税分の還付ということはあっても、年税額として還付になることはありえません。」

社長 「じゃあ、今期から簡易課税をやめればいいんですね?」

税理士「ええ。そうなんですが、今期から簡易課税をやめるには、前期中に届出書を出しておく必要があるんです。」

社長 「前期中って言ったって、台風は今期になってから来たんですよ、先生。そんなの無理じゃないですか」

税理士「その通りです、社長。そんな時のために、今年の税制改正で“災害時の簡易課税届出特例”というのが新設されました。今回はこれを使いましょう。災害のやんだ日から2ヶ月以内に届出を出せば、今期から原則課税に戻ることができますので、還付が受けられます。」

社長 「そうですか。それを聞いて安心しました。でも来期からはどうなるんですか?来期も原則課税だと、今度は逆に消費税が増えてしまうと思うんですが。」

税理士「そうですね。その場合は、今期中にもう一度“簡易課税選択届出書”を提出しておきましょう。そうすれば、来期からまた簡易課税に戻れますよ。」

社長 「先生にお聞きしておいてよかったですよ。届出の仕方だけで、消費税は大きく変わってくるんですね。」

(担当:村田)

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