節税対策集101 2006.9.11
固定資産に関する節税術
▼100%償却に改正か?
自民党税制調査会は、今後の税制改正の論点として、固定資産の取得価額全額を減価償却により損金算入できるようにするという改正を検討しているようです。(日本経済新聞6/29)
現在は取得価額の5%までしか減価償却は認められていませんが、この改正が実現すれば、5%分減価償却費が増えることになります。設備投資額が増えれば、5%といえども、結構な金額になってきます。現在、税制改正における論点整理の段階であるので、実現するかどうかはわかりませんが。
▼こんな減価償却もあります
ところで、現在の税法でも、普通償却以外に次のような償却が認められています。
1.増加償却
例えば、工場をフル稼働させているような場合には、当然機械の損耗も激しくなります。このような場合には、通常より多くの減価償却費を計上することを税務署は認めています。
追加計上できる減価償却費は「普通償却費×1日当たりの超過使用時間×3.5%」です。機械の種類ごとに通常の使用時間が税務署によって定められていますので、それを越えた時間を計って計算します。ただし、追加計上分の償却費が普通償却費の10%以上でなければ計上はできません。
2.陳腐化償却、耐用年数の短縮
新製品の発売や修理の不十分等により、固定資産が著しく陳腐化したような場合には、税務署に耐用年数の短縮を申請したり、また陳腐化した部分の減価償却費の追加計上を申請したりすることができます。
この他にも特別償却などの方法があります。
▼減価償却だけではありません
前項に紹介した方法は、結局将来の減価償却費の先取りに過ぎません。当期だけを見れば節税になりますが、長期的に見れば、計上できる減価償却費は変わらないのです。
それとは別に、取得した固定資産の取得価額の一定率を法人税から控除できる税額控除という方法があります。この方法であれば、減価償却費は通常通り計上した上で、更に一定額を法人税額から控除できますので、これは完全な節税になります。
税額控除には様々な種類がありますが、160万円以上の機械や70万円以上の一定のソフトウェアを取得した場合に認められる、通称「中小企業投資促進税制」が有名です。新たに固定資産を取得した場合には、特別控除が使えないか是非検討してみて下さい。また、特別控除は新たにリースを組んだときにも適用できます。
▼諦めるのはまだ早い
税額控除はどの法人でも使えるわけではありません。通常は資本金額が一定以下の法人が対象になっています。リースでも原則として同様です。
しかしリースの場合、この基準に当てはまらなくても税額控除が使える方法があります。例えば、今年の税制改正により新設された「情報基盤強化税制」では、リース税額控除を適用できるのは、青色申告書を提出する資本金1億円以下の法人とされています。資本金1億円超の法人では適用できません。
しかし、リース条件を設定する際に、税務上売買取引とみなされるようにリースを組むと、形式的にはリースであっても、税務上は売買取引として取り扱われます。
「情報基盤強化税制」では、売買取引の場合の税額控除には、適用要件に資本金制限がありません(※2)。したがって、資本金1億円超の法人でも特別控除を適用することができるようになります(※3)。
(※2)ただし、取得価額が3,000万円以上である場合に限ります。
(※3)法人税法基本通達12の5−2−15。
(※4)なお実際の適用にあたっては税理士などに相談のうえ、慎重に検討して下さい。
(担当:村田)
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