節税対策集100 2006.8.20
物納制度3つの改正
▼平成17年度物納申請状況
平成18年8月1日、国税庁より「平成17年度 相続税の物納申請状況等について」と題する報告がありました。
この報告によると、物納申請件数は平成11年度以後減少していて、平成17年度は1,733件、金額にして817億円でした。
平成16年度が物納申請件数3,065件、申請金額1,288億円でしたので、平成17年度も大幅な減少となっていることがわかります。
また物納申請に対する当局側の処理件数も報告がありました。
平成17年度処理件数3,920件(対平成16年度比73.8%)、処理金額2,331億円(対平成16年度比76.2%)。
これは平成16年度に比べて処理件数、処理金額ともに減少しているのですが、要処理件数(「申請件数」+前年の「処理未済件数」)に対する処理の割合は高くなっています。
具体的には、処理割合は、平成16年度で件数47.1%、金額39.0%であったのが、平成17年度で件数50.9%、金額41.7%と上昇しています。
また物納申請に対する処理割合が上昇していることもあって、物納申請未処理件数は減少しています。
平成16年度で5,968件であった未処理件数が、平成17年度では3,781件となっています。
▼実務の現場では不平や戸惑い
ここで相続税の納付方法の基本に戻りますが、原則現金納付、ただし財産課税という性質から現金納付以外にも、一定の財産による物納制度が認められています。
ただし実務の現場においては、物納申請をしてもなかなかその審査結果がわからなかったり、そもそも物納許可基準があいまいに思えたりと、不満がありました。
上記「平成17年度 相続税の物納申請状況等について」によると、だいぶ物納申請に対する処理割合は改善されているようですが、まだまだ実務の現場では不平や戸惑いが大きいといえます。
▼平成18年度税制改正
そこで平成18年度税制改正において、大きく以下3つの改正が行われました。
物納制度が使いやすくなった側面があります。
1.物納不適格財産の明確化
抵当権が設定されている不動産や境界が不明確な土地等の一定の財産を物納不適格財産とし、原則として物納が認められない財産が明確化されました。
市街化調整区域内の土地やいわゆる無道路地の一定の財産を物納劣後財産とし、他に物納適格財産がない場合に限り物納を認める財産として明確化されました。
2.延納中の物納選択制度の創設
相続税を延納中の者が、資力の状況等により延納による納付が困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、物納を選択することができる制度が創設されました。
3.物納手続の迅速化
物納申請の審査期間が3ヶ月以内と明記され、物納手続が迅速化されました。
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