平成22年度(2010年度)税制改正のポイント・要点・解説
「検討事項」

 

■検討事項

平成22年度税制改正大綱には盛り込まれませんでしたが、以下の項目については今後の税制改正項目となる可能性がありますので、最後に記しておきます。

1.非上場株式等の信託を利用した事業承継に係る税制上の措置については、現行の事業承継税制の定着を図る中で、その利用状況や、信託を利用した事業承継の実態及び税制上の措置の必要性等を踏まえ、引き続き検討を行います。

2.市民公益税制プロジェクト・チームの設置

市民公益税制に係るプロジェクト・チームにおいて、寄附税制や公益活動を担う法人(NPO法人や公益法人など)に係る税制について、専門的・総合的観点から検討します。その際、次の項目についても、併せて検討します。

①認定NPO法人の収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出(繰入れ)をした金額をその収益事業に係る寄附金の額とみなして寄附金の損金算入限度額の範囲内で損金算入を認める制度(いわゆる「みなし寄附金制度」)に係る損金算入限度額の引上げについては、他の公益法人における「みなし寄附金制度」とのバランス等も踏まえつつ検討します。

②研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律に基づく研究開発法人に対する寄附金を指定寄附金とする制度の創設については、独立行政法人改革との関係を整理した上で、特定公益増進法人に対する寄附金から指定寄附金とする場合の効果等について検討します。

③寄附文化醸成に向けた寄附税制の拡充については、所得税の寄附金控除の適用下限額の引下げを含むこれまでに行った制度拡充の効果の検証を行うとともに、寄附金控除を年末調整の対象とするか否かについては、執行面の問題などを検討します。

④給付制奨学金事業を行う民間団体への寄附金に係る税額控除制度の創設については、特定の団体への寄附のみを税額控除化することの適否を検討します。

3.個人住民税における寄附金税額控除の対象となる寄附金の範囲について、市民公益税制に係るプロジェクト・チームにおいて検討します。

4.事業税における社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置及び医療法人に対する軽減税率については、来年1年間真摯に議論し、結論を得ます。

5.特例民法法人から一般社団法人又は一般財団法人に移行する法人が設置する図書館、博物館及び幼稚園に係る固定資産税、都市計画税及び不動産取得税について、移行状況や施設の使用・経営実態等を調査したうえで、平成22 年度に結論が得られるよう必要な検討を行います。

6.金融証券税制については、金融商品間の損益通算の範囲の拡充に向け、平成23 年度改正において、公社債の利子及び譲渡所得に対する課税方式を申告分離課税とする方向で見直すことを検討します。

7.地球温暖化対策のための税については、今回、当分の間として措置される税率の見直しも含め、平成23 年度実施に向けた成案を得るべく、更に検討を進めます。車体課税については、エコカー減税の期限到来時までに、地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況も踏まえつつ、今回、当分の間として適用される税率の取扱いを含め、簡素化、グリーン化、負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討します。これらを法律において規定することとします。

平成22年度(2010年度)税制改正のポイント・要点・解説の目次に戻る

※今回の内容は、国会を通過するまでは正式な確定事項ではありません。今後の国会審議動向などにより、内容が変更することがありますのでご了承下さい。(原稿執筆2009年12月30日)

 

参考
(税制改正大綱)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/2009/__icsFiles/afieldfile/2010/11/18/211222taikou.pdf
(金融庁)
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20091222-6/01.pdf
(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policymeeting/2009/pdf/13_03.pdf
(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/000055619.pdf
(税制調査会)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/index.html

税制改正特集に戻る

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ